苦手な人と上手に付き合う5つの方法

それぞれNとOと書かれた木のボックスが並べられて、右側に赤い大きなばつ印がついている

あなたの周りに、「この人苦手だな」と思う人はいますか?

会社の上司、同僚、後輩、取引先の人はもちろん、よく行くお店の店員さんや、ママ・パパ友付き合いの友達、親戚やパートナーのご両親、お酒を飲むと性格が悪くなる友達など、誰にでも必ず一人や二人、「苦手だな」と思う人はいるかと思います。

本当なら苦手な人と付き合わない、関わらないのが一番ではありますが、中々そうもいかない人間関係も沢山あるかと思います。

そこで、私自身が試してみて効果があった、苦手な人からくる精神不安やイライラを少してでも解消出来る方法を5つご紹介します。

もしどれか実践可能な方法があれば、明日からでも是非試してみて下さい。

人間関係から生じるストレス因子が一つでも解消出来ますように。

カフェ店内で、オフィスカジュアルな服を着た女性三人が談笑している様子

まずは「挨拶」をすることです。

これは、「相手への苦手度はそこまで高くないけれど苦手」と感じる人には、まずここから始めてみましょう。

苦手な人とは出来るだけ距離を置いて、必要なコミュニケーションも出来るだけ最小限にしたいですよね。

その気持ちは痛いほど分かります。

けれど、苦手だなと意識すればするほど、こちらの情緒が乱れてストレスに繋がるのも事実です。

だからと言って、挨拶や必要な業務連絡などもおろそかになってしまうと、あなた自身の評価にも繋がりかねません。

また、相手の言動は時に自分の行動の鏡写しであることもあります。

こちらが不遜な態度だから向こうも不遜な態度で返してくる、結果その態度を見てまた更にこちらが不遜な態度をとってしまうという、悲しい連鎖が続いてしまいう可能性があります。

人は挨拶をされると、それを「好意」と捉える傾向があります。

挨拶をしておいて損をする事はありません。

また、周りの人も挨拶をしているあなたを見て、心を開きやすくなるという心理学的効果もあるそうです。

「こちらが挨拶をして返ってこなかったら更にイライラする!」という人もいるかもしれませんが、こちらは別に挨拶からのコミュニケーションを望んでいる訳ではないので、挨拶が返ってくることなど期待しなくても良いのです。

むしろ必要以上に不毛なコミュニケーションの時間が発生しなくてラッキーくらいに捉えつつ、こちらはただ義務的に一言、「おはようございます」や「お疲れ様です」などと一言投げかけるだけで良いのです。

そうすると自然と相手の心も開きやすくなり、意味もなく生じていた緊張感や嫌悪感が解消されることがあります。

私は実際、苦手意識がありあまり会話もしたくない人にあえて自ら一言挨拶だけするようにしたところ、不思議と苦手からくるストレスが軽減しました。

もちろん、そこから仲良くなったり、相手のことを好きになったりすることは無いのですが、それでもストレス因子が減ったという事実は非常に大きな結果と言えます。

また、その人に挨拶をする習慣をつけてから、その人に限らず、会社で会ういろんな部署の人に積極的に挨拶をするようになり、結果会社内で「元気な人」という印象もおまけで付いてきました。

特別元気はつらつとしている訳ではないのですが、やはり挨拶をしている人というのは、視界に入りやすいのか記憶に残りやすいのか、少なくとも悪い印象には繋がらないようです。

苦手なも解消され、おまけで周りからの印象も上がる割にリスクが低い方法なので、試したことのない人はぜひ試してみて下さい。

公園で猫が三匹、遠くにいる鳩を観察している様子

挨拶をするの次が「距離を置く」って、何とも妙と言うか、「どっちなの?」と思いますよね。

しかし、実際に物理的な距離を置くことも必要です。

苦手と思う理由は様々あるかと思いますが、人によっては視界に入るだけで心や頭がモヤモヤして仕事に集中出来ない、という人間関係が生じていたとしても不思議な事ではありません。

これは、脳が一度でも「苦手」と判断したものはどんどん「苦手」な理由を見つけやすくして、嫌な部分ばかりが浮き彫りになる事で生じる「防衛反応」とも言えます。

例えば、挨拶をしたのに返ってこなかった場合、好きな人なら

(疲れているか体調が悪いのかな?どうしたんだろう?もう一回声をかけてみようかな)

となるものでも、苦手な人だと

(カンジ悪)

で終わるかもしれませんね。

同じ人が同じ行動を取ったとしても、相手に対する意識の差で印象はどんどん変わっていくものです。

皆さんは「働きアリの法則」をご存知ですか?

自分と意見が合う人は2割、可もなく不可もない関係を築けるのは6割、意見が合わない人は2割という割合があるそうです。

つまり、どんな聖人君主でも意見が合わない人は必ずいるということです。

人間関係で悩むのも当たり前ですし、苦手な人がいるのはあなたの心の許容度が狭いからという訳でもありません。

そんな相性の悪い相手とどんなに頑張って合わせようとしても自分が辛くなるだけなので、挨拶や必要な業務連絡は別として、思い切って距離を取るということも自衛と思って必要な行動になります。

無理に仲良くなろうとしたり、親睦を深める為に飲みに誘ったり、誘われた飲みを「これ以上関係が悪化しないように」と無理を押してついて行ったり、自分をすり減らして相手に近寄る必要はないということです。

ただしここで注意が必要なのは、「相手を避ける」のではなく、「近寄らないようにする」ということです。

あからさまに相手を避けて無視を続けたり、近づいてきた瞬間逃げるような行動を取り続けると、更に相手に対する意識を尖らせてしまうことになり、結果ストレスが増えるばかりか、度が超えて相手に「いじめだ」などと告発されてしまうと、自分にとっても大きく不利に傾くことになります。

社会人として礼節を弁えた態度を維持しつつ、スマートに距離をとることを心掛けましょう。

グレーのニットを着た女性が、右手を耳に添えて、相手の話を聞こうとしている様子

これは、私が実践した中でかなり効果的だった方法でした。

どうしても苦手なのに、仕事上接点が多い上司なので、「実は彼のことが少し苦手なのだけれど、彼の良いところを教えて欲しい」と彼と距離感の近い人達に聞いたことがあります。

その時気付かされたのが、「視点の違い」でした。

私は彼の「とにかく合理主義で、一緒に働く人たちのことは駒としか見ていない」ところがとても苦手…というか嫌いだったのですが、彼の同僚いわく、その人はとにかく結果主義で、結果が出ないと一緒に働くチーム全員が正統な評価を受けられないという信念がある人だということを教わりました。

また、数字に非常に強いタイプで、数字から読み解くゴールへの道筋を考えるのが得意な一方、一緒に働く人からの合意が中々得られず苦労しているという話だったのです。

私とは考え方が真逆というだけで、人間性が悪いという訳ではないことを知り、これをそのままその苦手な上司に報告しました。

「実は今まで○○さんの考え方が分からず、正直難しい方だなと思っていたのですが、△△さんに話を聞いて目指すゴールは同じでも、その目指し方が少し違うだけということに気付きました」と。

そしたら彼は少し照れ臭そうに、「自分は数字は得意なんだけど、それを人に伝えるのがどうも苦手で、そこが今自分の中でチャレンジな部分なんです。もし良ければ、どうすれば一緒にこのゴールが達成出来るか、相談しても良いですか?」と言われた時には、少しこの人のことを知れて良かったなと思いました。

正直、今でもその人のことは苦手で、一緒に仕事をするシチュエーションになると未だに少し憂鬱な気分にはなるのですが、以前のように一方的にただ「苦手」という訳ではなく、「考え方が違うだけ」と思えるだけでも、少しストレス因子が減ったので、もし周りに相手の良いところなどを知っている人がいる場合は、少し話を聞いてみるのも良いかもしれません。

7色に色分けされた人形が、開いた本の上に横並びになっている様子

どんなに頭で考えても、好きになれない相手のことを考えてストレスに感じるのは時間の無駄とも言えます。

「どうしてもこの人はいつもこうなんだろう」

と考えたところで、分かり合える訳でも、ストレスが解消される訳でもありません。

時には「分かり合えない」ということを受け入れて、「自分と相手は違う」と割り切ることも必要です。

相手がいる時またはいない時に「ここを直した方が良い」とか、「ここが苦手」と言葉にしてしまう人もいますが、そんなことを言ったところで負の感情が解消される訳でもありませんし、人は人の言葉で簡単に変わるものでもありません。

相手を変えるより自分を変えることの方が、リスクも労力も少なく済みます。

これは血の繋がりがある家族や、自分で選んだパートナーだとしても例外ではありません。

誰かの存在が変わるきっかけになることはあっても、本当の意味で自分を変えられるのは自分でしかないのは、誰にでも当てはまるのです。

「どうして」

とストレスを募らせるより、「相手は相手、自分は自分。分かり合えることはないな」という気持ちでいるくらいが、一番ストレスが軽減されると思いませんか?

決して「あの人の為に」などとは考えない方が良いです。

歩み寄る努力が必要なシチュエーションもあるかと思いますが、それを経た結果「分かり合えない」という判断に至った場合は、コミュニケーションは必要最低限に留め、出来るだけ距離を取った方が良いでしょう。

男女の人形が5体混合に横並びになている様子。吹き出しに人間関係と書かれている。

苦手な人を「嫌いだから」と切り捨ててしまうのは少しもったいない場合があります。

何故その人のことが苦手なのかを分析することで、自分自身を見つめ直すことができる場合があるからです。

例えば会社でいつもうるさい人が苦手な場合、もしかしたらそういった人間関係を構築することが苦手であるというコンプレックスの裏返しであることがあります。

また、いつも数字のことばかり話してくる上司が苦手な場合、自分自身がその分野を苦手と捉えてしまっている可能性があります。

その人のどんなところが苦手で、何故苦手と思うのか。

同じ言動を好きな人がとった場合は許容出来る行動なのかそうでないのか。

自分自身で苦手な理由を掘り下げることで、自分が苦手とする人をパターン化することが出来ます。

漠然とした「苦手意識」が少しクリアになることで、苦手な部分とそうでもない部分を仕分けすることが出来るようになり、「この人のここは苦手だけど、他の部分は気にならないな」と、ストレスに感じない部分を発見することで少しストレスを軽減できる場合があります。

白衣を着た女性が胸の前で、両腕でばつ印を作っている状態

あなたがどんなにその人のことが苦手だったとしても、相手の尊厳を傷つけたり、相手を怯えさせるような行動を取ったり、心身に苦痛を与えるような行動だけは絶対に避けなければなりません。

そしてそれは時に、自分はそのつもりがないとしても、相手が「いじめ」だと思った瞬間に成立することであることも忘れてはいけません。

相手を傷つけるという行為が許されている人など存在しないからです。

例えば相手の悪口を聞いた人がいたとします。

元々そんなにその人が苦手ではなかったのに、その話を聞いてから苦手意識が芽生えてしまった、という経験がある人もいるのではないでしょうか。

人はバイアス(思い込み、先入観)を持つ生き物なので、実際に好きか嫌いかという判断の前に、事実よりも他人から聞いた情報が優先されてしまうことがあります。

もちろん、誰かのことを苦手や嫌いだと思うことや、先入観を持って判断してしまうことは心理学的に正常な判断とも言えるので、それを思ったり考えること自体は否定しません。

ただし、それを口に出したり行動に出すことで、相手の尊厳を傷つけ、自分の品位を落とす結果にも繋がりかねません。

愚痴や弱音を吐くことと、相手の悪口を吐くことは、決して同等ではないことを決して忘れないで下さい。

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